契約社員が途中で辞める3つの方法|損害賠償は?円満な伝え方も
「契約社員だから、契約が終わるまで辞められない」。そう思い込んで、辞めたい気持ちにフタをしていませんか。合わない環境で我慢を続けると、心身のコンディションにも影響が出てきます。
実は、契約社員(有期雇用)でも途中で辞める方法はあります。私自身も20代で何度か退職を経験していて、辞めると伝えたときに強く引き止められたつらさはよくわかります。
この記事では、途中で辞める合法な3つの方法、「損害賠償されるのでは」という不安への答え、引き止められない伝え方までを整理します。読み終えるころには、自分がどの方法で辞められるのか、賠償の心配はどこまで本当なのかがはっきりします。
結論を先に言えば、契約社員でも途中で辞められますし、損害賠償も正しく知れば過度に恐れる必要はありません。
- 途中で辞める合法ルートは3つ(1年経過後の申し出・やむを得ない事由・会社との合意)
- 「辞めたら違約金○万円」は労働基準法16条で無効。賠償が実際に認められるハードルは高い
- どのルートにも乗れないなら、契約書の退職の取り決めに沿って会社と合意して辞める
契約社員でも途中で辞められる|合法な3つの方法

「契約社員は、契約期間の途中では辞められない」。そう信じて、辞めたい気持ちにフタをしている人をよく見かけます。でも安心してください。契約社員(有期雇用)でも、途中で辞める合法な方法は3つあります。
有期雇用が正社員より辞めにくいのは事実です。ただ、法律は「契約期間に一生縛られる」ようにはできていません。辞められるかどうかは、契約の残り期間ではなく、次の3つのルートのどれに乗れるかで決まります。
| ルート | 使える条件 | 根拠 |
|---|---|---|
| ①1年経過後の申し出 | 1回の契約が1年超で、1年働いた | 労働基準法137条 |
| ②やむを得ない事由 | 賃金不払い・病気・介護・ハラスメントなど | 民法628条 |
| ③会社との合意 | 上の2つに当てはまらないとき | 話し合いで合意 |
自分がどこに当てはまりそうか、頭に置きながら読んでみてください。
①契約から1年たっていれば、いつでも辞められる
契約の初日から1年を過ぎているなら、理由を問わず、会社に申し出るだけで辞められます。やむを得ない事由も、会社の許可もいりません。
これは労働基準法の附則137条という決まりで、1年を超える契約を結んだ人は、1年を経過した日以降はいつでも退職できると定められています(厚生労働省の解説)。
ここで注意したいのが対象になる契約です。137条が使えるのは「1回の契約期間が1年を超える」契約に限られます。たとえば3年契約を結んで1年働いたなら、残り2年を待たずに辞められます。
一方で、1年ごとに更新するタイプの契約は少し違います。更新を重ねて通算3年目でも、1回ごとの契約が1年なので、137条の直接の対象にはなりません。この場合は、下の②か③のルートで辞めることになります。高度な専門職や満60歳以上の一部の契約も対象外です。
②「やむを得ない事由」があれば、契約の途中でもすぐ辞められる
まだ1年たっていなくても、やむを得ない事由があれば、契約の途中でもすぐに辞められます。これは民法628条で認められた権利です。
やむを得ない事由とは、賃金が支払われない、病気やけがで働けない、家族の介護が必要になった、職場でハラスメントを受けている、といった我慢を続けるのが難しい重大な事情を指します。自分の状況がこれに当てはまるかどうかは、判断表で1つずつ確認できるようにしました。
③会社と話し合って合意すれば、いつでも辞められる
上の2つに当てはまらなくても、会社が合意すれば契約の途中でも辞められます。実は、これが一番多い辞め方です。
「転職先が決まった」「どうしても続けられない」といった事情は、法律上のやむを得ない事由には当たらないことが多いです。ただ、契約書や就業規則に「退職は30日前までに申し出る」といった取り決めがあれば、それに沿って早めに伝えることで、会社も辞める前提で動いてくれます。
ここだけは正確に押さえてください。137条にも628条にも当てはまらない場合、有期契約は基本的に会社の合意が必要です。
正社員(無期雇用)には「2週間前に伝えれば一方的に辞められる」という民法627条のルールがあります。ただ、これは契約期間の途中の有期契約には使えません。だからこそ、話し合いで折り合いをつけることが辞め方の中心になります。
逆に、契約満了まで残りが数週間で、次も決まっていないなら、無理に途中で辞めない選択もあります。満了を待つほうが、円満に辞められて失業給付でも有利になることがあるからです。

まずは手元の契約書を開いて、「契約期間」と「退職の申し出」の欄を確認してみてください。自分がどのルートに乗れるかは、そこを見ればだいたい見えてきます。
「損害賠償を請求される」は本当?契約社員が知るべき事実


「契約の途中で辞めたら、損害賠償を請求されるかもしれない」。これが、契約社員が辞めるのをためらう一番の理由です。知恵袋でも「賠償の対象になりますか」という質問が、何度も投稿されています。
先に結論を言うと、正しい辞め方をすれば、損害賠償を過度に恐れる必要はありません。理由は2つの法律にあります。
「辞めたら違約金○万円」の約束は、そもそも無効
契約書に「途中で辞めたら罰金50万円」と書かれていても、その約束自体が無効です。労働基準法16条が、労働契約を破ったときの違約金や損害賠償額をあらかじめ決めておくことを禁止しているからです。
会社がこの違約金を根拠に請求してくることはできません。入社時にそうした一文にサインしていても、気に病む必要はないと覚えておいてください。
実際の損害賠償は、会社側のハードルが高い
やむを得ない事由がないまま契約の途中で一方的に辞めて、会社に具体的な損害が出た場合は、契約違反(債務不履行)を理由に損害賠償を求められる余地はあります。ただし会社は、「あなたが辞めたことで、いくらの損害が、どういう因果関係で生じたのか」を自分で立証しなければなりません。
これは簡単ではなく、実際に認められるハードルは高いものです。とはいえ「賠償は絶対にない」「訴えられることはない」と言い切ることもできません。大切なのは、賠償の芽を自分からつくらないことです。
いちばんのリスク回避は「バックレず、合法ルートで辞める」
損害賠償が問題になりやすいのは、無断で来なくなる、引き継ぎを放棄するといった、取引や現場に穴を開けて実際の損害を出したときです。裏を返せば、先ほどの合法な3つのルートに沿って、きちんと引き継いで辞めれば、賠償で揉めるリスクはぐっと下げられます。
実際、知恵袋には「次の仕事が決まったから、とだけ伝えて一方的に辞めると、賠償請求の対象になり得る」という回答もありました。だからこそ、会社と話し合って合意する辞め方が、いちばん安全なのです。





「損害賠償」という言葉に、必要以上にビクビクしなくて大丈夫です。避けたいのは、黙って来なくなったり引き継ぎを放り出したりして、会社に実害を出すことです。
あなたは今すぐ辞められる?「やむを得ない事由」の判断表


「自分の理由は、やむを得ない事由に当てはまるのかな」。ここがはっきりしないと、辞めていいのかどうかを決めきれません。判断のポイントは、我慢を続けるのが難しい重大な事情かどうかです。
よくある事情を、当てはまりやすいものと、当てはまりにくいものに分けて表にしました。自分の状況に近いものを探してみてください。
| あなたの状況 | 民法628条で辞められる可能性 |
|---|---|
| 給料が支払われない・遅配が続く | 高い |
| 病気やけがで働けない | 高い |
| 家族の介護が必要になった | 高い |
| パワハラ・セクハラを受けている | 高い |
| 転職先が決まった | 低い(→会社と合意して辞める) |
| 給料や仕事内容への不満 | 低い(→会社と合意して辞める) |
| もっと良い条件の会社に誘われた | 低い(→会社と合意して辞める) |
可能性が高い側の賃金不払い・病気・介護・ハラスメントは、民法628条のやむを得ない事由として認められる可能性が高い事情です。会社の合意がなくても、契約の途中で辞められる可能性が高いケースです。ただし最終的な判断は、事情の重さや証拠によって変わります。
可能性が低い側の転職・不満・好条件は、個人的な事情と見なされ、628条だけでは辞められないことが多いです。その場合は、会社と合意して辞める3つ目のルートに進みます。焦らず契約書の退職の取り決めを確認し、早めに相談すれば問題ありません。
求人と実際の条件が違うなら、即時に辞められる特別ケース
3つの方法とは別に、覚えておきたい特別なケースがあります。入社時に示された労働条件(労働条件通知書に書かれた内容)が、実際とはっきり違っていた場合です。このときは、労働基準法15条2項によって契約を即時に解除できます。
「聞いていた給料や勤務時間と実態がまるで違う」といったケースが典型です。これは民法628条のやむを得ない事由とは別の、労働条件の食い違いに特化した権利です。入社時にもらった労働条件通知書は、あとで見返せるように取っておいてください。
迷うとき・揉めそうなときの相談先
最終的に自分のケースがやむを得ない事由に当たるかは、事情の重さや証拠によって変わります。会社と揉めそう、判断に迷うといったときは、一人で抱え込まないでください。労働基準監督署や、各都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーなら、無料で相談できます。
ハラスメントや賃金不払いの証拠になるメール・録音・給与明細は、残しておくと相談がスムーズに進みます。





自分で判断しきれないときは、労基署や労働局の相談窓口に状況を話してみてください。無料で、辞められる状況に当たりそうかの目安を教えてもらえます。
引き止められても大丈夫|円満に辞める伝え方5ステップ


契約社員が円満に辞めるコツは、伝える順番と記録の残し方にあります。次の5ステップで進めれば、引き止められても落ち着いて対応できます。
- 直属の上司に、口頭で早めに伝える:メールやいきなりの退職届ではなく、まず直属の上司へ口頭で。契約社員は後任の確保に時間がかかるので、退職希望日の1〜2か月前が目安です。
- 繁忙期やプロジェクトの山場を避ける:引き継ぎしやすい時期を選ぶと、会社も合意に応じやすくなります。
- 契約書・就業規則の「退職の取り決め」を確認する:「30日前までに申し出る」といった条項があれば、それに沿います。これが合意退職のベースになります。
- 退職届を出す(理由は「一身上の都合」でよい):合意が取れたら、退職届で正式に区切ります。切り出し方の基本は退職の伝え方の記事にまとめました。
- 合意した退職日を、書面かメールで残す:「◯月◯日付で退職」と合意した内容を、必ず形に残します。あとから「言った・言わない」で揉めるのを防げます。
「契約があるから」と引き止められたら
契約期間を理由に強く引き止められても、慌てないでください。137条や628条に当てはまるケース、または話し合いで合意できれば、辞められます。当てはまらないのに黙って一方的に辞めると賠償の余地が残る、という点だけ押さえておけば大丈夫です。
私自身、20代前半で最初の会社(人材派遣の会社)を辞めるとき、人事から1時間以上引き止められました。「二重契約になるから転職活動はするな」とまで言われ、その場では罪悪感に負けて「辞めません」と言ってしまいました。
ところが一晩おいて頭を冷やすと、「なんでこんなに消耗する場所に居続けないといけないんだ」と思い直したのです。翌日あらためて「やっぱり辞めます」と伝えたら、今度はすんなり通りました。引き止めは、その場の勢いに飲まれないことがいちばん大事だと学びました。
会社が合意してくれないときの出口
それでも会社が首を縦に振らない、退職日で揉める、というときの出口も知っておきましょう。いつから出社しなくてよいかは、乗るルートで変わります。
- やむを得ない事由(628条)→ 申し出て直ちに辞められる
- 1年経過(137条)→ 申し出たうえで辞められる
- どちらも当たらず合意も不成立 → 弁護士・労働組合が入る退職代行に交渉を任せる
次の会社が決まっているなら、入社日から逆算して動くのが鉄則です。「入社日 − 引き継ぎ期間 − 有給消化」で、いつ切り出すかを先に決めておくと、間に合わないという事態を防げます。
「自分の口からはとても言えない」「引き止めが怖くて切り出せない」。そこで足が止まっているなら、退職代行という選択肢があります。退職代行Jobsには労働組合と連携した安心パックがあり、有給消化や退職日の希望まで会社と交渉してもらえます。
24時間相談OK・無料
もし「損害賠償するぞ」と脅されている、会社と本格的に揉めそうなら、最初から弁護士が対応する弁護士法人ガイア法律事務所を選ぶと、法的な交渉まで任せられます。どの代行にするか迷うときは、退職代行の選び方も参考にしてください。
辞めた後はどうなる?有給・失業給付・次の転職


退職日のめどが立ったら、次に気になるのが辞めたあとのお金と生活です。契約社員が途中で辞めたあとも、正社員と同じように使える制度があるので、辞める前に有給・失業給付・次の一歩の3つを確認しておきましょう。
残った有給は、契約社員でも消化できる
契約社員でも、働き始めて6か月がたてば有給が付与されます(6か月継続勤務・出勤率8割で10日)。途中で辞める場合も、残っている有給は消化できます。
退職日を決めるときは、残った有給を使い切れる日付にするのがコツです。「最終出勤日のあとに有給を消化し、その先に退職日を置く」と考えると、日程を組みやすくなります。





有給の残り日数は、退職日を決める前に給与明細か人事で確認しておきましょう。もらえるはずの休みを、うっかり捨てずにすみます。
失業給付は「自己都合か・特定理由か」で変わる
雇用保険に一定期間入っていれば、契約社員でも失業給付を受け取れます。目安は辞める前の2年間に通算12か月以上の加入で、働く意思があり求職活動をすることも条件です。ただし途中退職は、原則として自己都合の扱いです。自己都合の場合、7日間の待期に加えて原則1か月の給付制限があり、受け取り開始まで少し時間がかかります。
一方、やむを得ない事情での離職や、更新を希望したのに会社に雇止めされた場合などは、特定理由離職者として給付制限なしで受け取れることがあります。ただし、退職が「やむを得ない事由」に当たるかどうかと、この失業給付の区分は別の判断です。
自分がどちらに当たるか、金額や受け取り時期は、離職票を持ってハローワークで確認するのが確実です。目安の受取額や申請の流れは、失業給付の記事にまとめました。
短期離職でも、次は正社員を狙える
「契約社員を途中で辞めたら、経歴に傷がつくのでは」と不安になるかもしれません。でも、20代の短期離職は、伝え方しだいで十分に立て直せます。履歴書には、契約期間満了なら「契約期間満了により退職」、途中なら「一身上の都合により退職」と書けば問題ありません。
契約社員から正社員を目指すなら、20代・第二新卒に強いエージェントを使う方法もあります。一人で求人サイトを眺めるより、あなたの経歴に合う正社員求人を効率よく選んでもらえるのが強みです。
その最初の1社にすすめたいのが、第二新卒エージェントneoです。短期離職の経歴でも紹介できる正社員求人をそろえていて、面接では退職理由の伝え方まで一緒に組み立ててくれます。
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まとめ|辞め方を知れば、契約社員でも途中で辞められる
契約社員(有期雇用)でも、途中で辞める合法な方法は3つあります。1年経過後の申し出・やむを得ない事由・会社との合意のどれかに乗れば、契約満了を待たずに辞められます。
損害賠償も、「辞めたら違約金」は無効で、実際に認められるハードルは高いものです。無断でバックレず、きちんと合意して辞めれば、必要以上に恐れることはありません。
最後に、今日からできることを2つに絞ります。
- 手元の契約書と就業規則を開いて、「契約期間」と「退職の申し出」の欄を確認する
- 転職先が決まっているなら、入社日から逆算して、いつ上司に切り出すかを決める
もし自分の口からは言い出せそうにないなら、退職代行に任せる手もあります。次に正社員を目指すなら、第二新卒エージェントneoのような20代特化のサービスに、まず無料で相談してみてください。あなたの経歴に合う求人と、短期離職の伝え方まで、一緒に整理できます。
会社と揉めることもありますが、順番に進めていけば、辞められないまま縛られ続けることは避けられます。まずは契約書を開くところから始めましょう。
次の一歩も早く進めたいなら、20代向けのエージェントに1社だけ登録して、今の状況を話してみるのも手です。あなたに合う正社員求人があるか、無料で確かめられます。
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